すぐに怒る上司と生意気な部下にはさまれて、仕事に行くのがつらいよ
30代、40代になると、職場で役職がつき部下ができるという人が多いと思います。
すると「今までは厳しい上司とだけ向き合ってきたらよかったのに、扱いづらい部下のことも気にかけないといけなくなった」なんてこともあるでしょう。
また家に帰ると、「妻の機嫌が悪そうだな。子どもが片づけしないから部屋がぐちゃぐちゃだな」と、心身ともに疲れる毎日という方は少なくないはず。
そういった人間関係に悩みを抱えている方は、心理学を知ることでラクになるかもしれません。
なぜなら心理学は、面白い実験が多く、私たちの生活にも試せるものがたくさんあるからです。
この記事では、心理学者である内藤誼人(ないとう よしひと)さんの著書『世界最先端の研究が教える さらにすごい心理学』を基に、日々の生活に活用できる心理学を解説していきたいと思います。
楽観的になる
楽観的な人は、周囲の人にも「あの人は事業でうまくいく」と思われやすいことが確認されています。
フランスにあるコートダジュール大学のイザベル・ミラべの実験で、フランスで男性にも女性にも使われる『ドミニク』という名前の(日本だと『まこと』や『たくみ』のような)人物のプロフィールを読ませて「この人が仕事で成功する見込みはどれくらいか?」を答えてもらいました。
その結果、プロフィールが楽観的にであるほど「この人はうまくいくんじゃないかな」と評価されていることが分かったとのこと。
楽観的な人が事業でうまくいく理由は、周囲の人たちも「あの人ならうまくいくだろう」と考えていろいろサポートしてくれるからなのでしょう。
「仕事で出世したい」「プロジェクトを成功させたい」と考えているならできるだけ楽観的でいるほうがよさそうですね。
楽観主義と楽天主義の違い
ではどうすれば楽観主義になれるのかというと、「最善の策を考えれば大丈夫」と考えることです。
これはアドラー心理学の考え方で、楽観主義は「自分への勇気づけ」になります。
それは「未来は自分の行動により決められる」ということ。
これとは違って、「きっといいことがある」と何の根拠もなく考えて笑顔でいるのが楽天主義。
楽天主義では悪いことが起こったときに笑えなくなってしまいます。
楽観主義になるためには、自分のできる範囲のことをやっていき、向上していくという姿勢により成り立ちます。
失敗したとしても、不完全な自分を受け入れて向上していく姿勢が、『楽観的な姿勢』ということなんです。
別の記事『初心者におすすめする心理学がわかりやすい本』では楽に生きるために日々できる心理学を書いていますので、こちらも合わせて読むと毎日機嫌よく過ごせ、より楽観的になれると思います。
助けを求めるなら朝がいい
私たちの心は、時間帯によってさまざまに変化します。
朝のうちであれば、大抵の人は理性的で道徳意識も高いことが分かっているそうです。
米国ハーバード大学のマリアム・コーチャキはこれを『朝の道徳効果』と呼んでいます。
コーチャキは4つの実験によって、「午前中のほうが午後よりもウソをついたり、誤魔化したりしなくなる」という結果をえました。
なぜ午前中のほうが道徳意識が高いのかというと、セルフコントロール力が高いからだそう。
道徳心を働かせるためには自分で自分を律する力、すなわちセルフコントロール力が必要になるのです。
しかし、この力は体力と同じく使っていると減っていきます。
なので午後には、道徳意識を持てなくなるのです。
例えば、いつも眉間にシワをよせているような厳しい上司に報告するときは、夕方より朝にすることで、上司のセルフコントロール力が働き、あっさり終わるかもしれません。
何か困ったことがあって、人に助けを求めたいのであれば、午前中にしてみましょう。
謝罪は朝はやくと昼休憩のあとがいい
これも先ほどの「助けを求めるなら午前中がいい」と同じく、時間帯による人の心理を利用したもの。
なんと「裁判官でさえ時間帯によって判決が変わる」というのです。
イスラエルの心理学者シャイ・ダンジガーは1,112件の裁判記録を調べたところ、午前中の早い時間帯に出た判決はなんと6割以上が被告に甘いものだったんだそうです。
お昼近くになるとお腹がすいてくるのか、被告に有利な判決はほぼゼロ。
そしてお昼休憩後のすぐの時間帯では、また被告に有利な判決が増え、それから少し経つと疲れが溜まるのか、再び厳しい判決が増えたというのです。
ダンジガーによると、「人は休憩後に優しくなる」という傾向があるとのこと。
もし上司や取引先にお詫びをする際は、相手が朝ごはんやお昼ご飯を食べ終わってすぐの時間帯にいくと、余計に怒られることがなくなるかもしれません。
指示をするときは相手が顔を向けてからにする
相手がそっぽを向いているときに指示などしても、聞いてもらえないのです。
米国ペンシルバニア州にあるテンプル大学のキャロリン・ハムレットは「目を合わせることで、相手は従ってくれる」という論文を発表しているとのことです。
例えば、子どもがテレビを見ているときに「さっさとお風呂に入りなさい!」と何度言っても、なかなか入ってくれないのは、子どもがテレビを見ながら返事をしているからなのかもしれません。
職場でも相手がパソコンに目を落としているときに「〇〇してほしい」とお願いしても恐らくやってくれません。まったくやらないことはなくても、意図が伝わっていなかったり、期限を守らなかったりするはず。
言うことを聞いてほしいのなら、まずはしっかりとアイコンタクト。
これを覚えておくと誰にでもお願いを聞いてもらえるようになるかもしれません。
まとめ
この記事では、人間関係をラクにするために使える心理学を紹介しました。
- 楽観主義でいること
- 助けを求めるなら朝がいい
- 謝罪は朝はやくと昼休憩のあと
これらを実践すると今より人間関係がラクになりそうです。
『世界最先端の研究が教える さらにすごい心理学』は他にも日常で使える心理学がたくさんありますのでぜひ手に取ってみてください。
ご存じの方もいるかと思いますが、この『さらにすごい心理学』は内藤誼人さんの心理学シリーズの3作目で、前作には『すごい心理学』『もっとすごい心理学』というものがあります。
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忙しい方は、家事をしながらジムやランニングで身体を鍛えながらでもインプットすることができるのでとてもおススメです。
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最後までご覧いただきありがとうございました。
この記事があなたのお役にたてると幸いです。