12月の給与明細を開く瞬間だけは、公務員でよかったと思えます。
ただ、毎年このあたりで気になるのが「今年の冬のボーナスは何か月分で、いくらになるのか」という話。ニュースでは「年4.70月分」と流れますが、12月に振り込まれるのはその半分ではない数字。
結論を先に書くと、2026年12月期は2.375月分。年間4.70月分を単純に半分にした2.35月分より、0.025月分多い計算。
この記事では、基本給別の早見表と、自分の金額を出す3ステップをまとめました。平均額を見ても自分の額は分からないので、手元の明細で計算できる形にしています。
- 基本給別のボーナス早見表(2026年冬)
- 12月期が2.375月分になる理由と、期末・勤勉の内訳
- 自分の金額を出す3ステップ
- 手取りで公務員が民間と違う2つの点
2026年の冬のボーナスは何ヶ月分か

2026年8月7日の人事院勧告で、国家公務員の期末手当・勤勉手当を年4.65月分 → 年4.70月分へ引き上げることが勧告されました。0.05月分の引き上げです。

4.70月の半分だから、12月は2.35月分ですか?



そこが今年の落とし穴です。2026年は12月のほうが多くなります。
2026年12月期は2.375月分
理由は単純で、6月のボーナスがすでに支払われてしまっているから。
令和8年度はもともと、6月期と12月期を同じ2.325月分(期末1.2625月+勤勉1.0625月)ずつ支給する形で組まれていました。6月はこの改定前の月数で振り込み済み。
そこへ8月の勧告による0.05月分が乗ります。人事院は期末手当と勤勉手当に0.025月ずつ均等に配分し、2026年度は12月期で調整するという内容。
| 手当 | 6月期 (支給済み) | 12月期 |
|---|---|---|
| 期末手当 | 1.2625月 | 1.2875月 |
| 勤勉手当 | 1.0625月 | 1.0875月 |
| 合計 | 2.325月 | 2.375月 |
足して4.70月になるところを確認してください。12月だけが2.35月より多いのは、6月が改定前の月数で終わっているからという、それだけの話。
| 時期 | 扱い |
|---|---|
| 2026年6月 | 改定前の2.325月分で支給済み |
| 2026年12月 | 2.375月分(引き上げ分0.05月を反映) |
| 2027年6月以降 | 6月期と12月期が均等になる |
「年4.70月÷2」と書いている記事には注意
ニュースや解説記事は、年間の月数だけを見出しにします。そこから単純に半分で割って2.35月で計算すると、今年に限っては少なく見積もることに。
逆に「2.4月」と書いている記事も見かけますが、それだと年間が4.725月になって勧告の4.70月と合いません。内訳まで足して確かめるのが確実です。
確定した月数は、国家公務員なら人事院の資料と改正後の給与法、地方公務員なら各自治体の条例で決まるもの。数字を固めたい方は、11月以降に職場の給与担当か組合の資料を確認するのが早道です。
公務員のボーナス早見表【2026年冬】


国家公務員の一般職を基準に、12月期を2.375月分として計算した目安です。自分の基礎額に近い行を見てください。
| 基礎額 (基本給+対象手当) | 総支給の目安 | 手取りの目安 |
|---|---|---|
| 20万円 | 47万5,000円 | 約38万円 |
| 25万円 | 59万3,750円 | 約47万円 |
| 30万円 | 71万2,500円 | 約57万円 |
| 35万円 | 83万1,250円 | 約66万円 |
| 40万円 | 95万円 | 約76万円 |
| 45万円 | 106万8,750円 | 約85万円 |
この表から増える人・減る人
- 増える…役職段階別加算がつく、勤勉手当の成績率が高い
- 減る…年度途中の採用、育休や休職の期間がある
とくに在職期間の割合は大きく響きます。基準日前の6か月をどれだけ勤めたかで決まる仕組みです。
公務員のボーナスの計算方法|3ステップ


早見表より正確に出したい方へ。必要なのは給与明細1枚だけ。
基本給(俸給)に、地域手当や扶養手当などボーナスの算定に入る手当を足します。通勤手当と時間外手当は入りません。
注意したいのが、期末手当と勤勉手当で基礎額が違う点。国家公務員では扶養手当が期末手当の基礎額に入り、勤勉手当には入らないのが一般的な扱いです。
対象になる手当の範囲や役職段階別加算は、職位や適用される制度で変わります。明細の「基本給+手当」を全部足せばよいわけではないので、正確に知りたい方は給与担当に確認を。
12月期の月数をかけます。ざっくり見たいなら2.375月分で計算しておくと、実際の額に近い数字が出るはず。
内訳で分けるなら、期末手当に1.2875月、勤勉手当に1.0875月。基礎額が違うので、本来はこの2つを別々に計算する形になります。
基準日前の6か月をフルに勤めていれば100%。育休や休職があった方、年度途中に採用された方は、ここで減ります。
しかも期末手当と勤勉手当で除算のルールが違うという曲者。育休を例にすると、期末手当は期間の2分の1が除算、勤勉手当は全期間が除算というのが原則の扱い。
基礎額 × 支給月数 × 在職期間などによる割合
勤勉手当の成績率は、標準的な評価なら101%前後。優秀な評価がつくと112.5%以上になる区分もあるため、同じ給料でも人によって差が出る部分。
公務員冬のボーナス支給日はいつ?


国家公務員の冬のボーナスは、12月10日が支給日と決まっています。
2026年12月10日は木曜日なので、この日に振り込まれます。土日にあたる年は前の平日に繰り上がる仕組みですが、今年はその心配はありません。
地方公務員は自治体によって数日ずれる
地方公務員の支給日は、国に合わせている自治体が多いものの、条例で決めるため完全に同じではありません。
僕がいた自治体も国と同じ日でしたが、近隣の市では数日ずれていました。「県内は全部同じ」と思っていると当てが外れますので、住宅ローンの引き落としなどを合わせている方は、自分の自治体の日付で確認してください。
手取りで公務員が民間と違う2つの点





計算した額がそのまま入ってくるわけじゃないですよね…



引かれます。ただ公務員は、民間なら引かれるものが2つ引かれません。
引かれるのは共済の掛金と所得税が中心
先に引かれる側から整理します。一般的な常勤の国家公務員の場合、ボーナスから差し引かれるのは共済組合の掛金と所得税が中心。
| 項目 | 毎月の給与 | ボーナス |
|---|---|---|
| 共済組合の掛金 | 引かれる | 引かれる |
| 所得税 | 引かれる | 引かれる |
| 住民税 | 引かれる | 通常は引かれない |
| 雇用保険料 | 被保険者ではない | 被保険者ではない |
共済組合の掛金は、民間の社会保険料にあたる部分。年金部分の9.15%に、健康保険にあたる短期給付の分が上乗せされる形なので、合計では14〜15%前後になるのが一般的かと。40歳以上だと介護の分も加わります。
所得税はここに4〜6%ほど乗ってくるイメージ。合わせて2割前後が引かれ、手元に残るのは総支給の約8割。
住民税はボーナスから引かれない
ここは毎年ほっとする部分。住民税は毎月の給与から12回に分けて引かれるため、ボーナスからは通常引かれない仕組み。
なお所得税はボーナス専用の税率で計算されるため、月給の明細とは割合が変わる点に注意。前月の社会保険料控除後の給与額をもとに率が決まる仕組みです。
雇用保険料が引かれない
一般的な常勤の国家公務員は雇用保険の被保険者ではありません。だから毎月の給与もボーナスも、雇用保険料の欄がありません。
では退職して無職になったらどうなるか。一定の要件を満たす場合に「失業者の退職手当」が支給される制度があります。退職手当の額が雇用保険の失業等給付に相当する額に満たないときなどに、差額が支給される仕組み。
そのぶん、民間の方より引かれる項目が1つ少ないことに。手取りは総支給の8割前後あたりが目安になります。
2026年12月は差額支給も重なる可能性


もう1つ、今年は月給の差額が入る可能性もあります。
2026年の勧告は俸給について4月にさかのぼって実施する内容なので、給与改定が実施されれば、4月から改定前の給料で働いた分の差額がまとめて精算される形に。これが「差額支給」と呼ばれるもの。
ボーナスと差額が同じ月に入れば、その月の振込額は年間で最も大きくなります。金額の目安は別記事にまとめました。
勧告そのものの中身(較差15,056円・3.51%引き上げ)を知りたい方は、こちらもどうぞ。
年末調整の精算も同じ時期
さらに12月の給与では、年末調整の精算も反映されます。保険料控除や住宅ローン控除を出していれば、払いすぎた所得税が戻ってくる時期。
ここで注意したいのが、全員が還付になるわけではないこと。扶養の状況が年の途中で変わった方などは、追加徴収になる場合もあります。
とはいえ還付と差額支給が重なれば、例年より口座の残高は増えるはず。「今年は余裕がある」と錯覚しやすい月。
- 期末手当・勤勉手当の月数(自分の自治体の実際の数字)
- 差額として上乗せされた額(入っていない場合は支給時期を確認)
- 年末調整の還付額(または追徴額)
ここを毎年メモしておくと、翌年の見通しが立てやすくなります。
年払いの引き落としと重なっていないか
ボーナス月に合わせて、住宅ローンのボーナス返済や保険の年払いを設定している方も多いはず。
ここで注意したいのが、引き落とし日が支給日より前に来ているケース。地方公務員で支給日が国とずれている場合、数日の差で残高が足りなくなることもあります。
ボーナスの使い道で僕が後悔したこと


ここからは制度の話を離れて、個人的な反省を少しだけ書かせてください。
公務員のボーナスは、年2回きっちり入ってきます。景気が悪くても、ほぼ変わりません。この安定が、逆に油断を生みました。
入った月に家電や服代で使い切って、口座には何も残らない。それを何年も繰り返して、貯金が増えていないことに30代に入る手前で気づきました。
- 振り込まれた日に、使う分と残す分を分ける
- 残す分は生活口座から動かす
- 使う分は遠慮なく使う
3つ目が意外と大事でした。全部を我慢すると、続きません。
いま振り返って、いちばん効いた使い道
残す分の一部を資格の受験料と講座代に回したことです。
僕は現職のまま1級土木施工管理技士を取りました。役所にいながら取れて、外でも通じる資格なので、ボーナスの使い道としては戻りが大きかったと感じています。
公務員は給与が読める職業なので、毎月いくら回せるかを計算しやすいという強みもあります。その前提で何をしているかは、こちらに書きました。
公務員の冬のボーナスに関するよくある質問
まとめ|今年の12月は「例年より多い」
- 年4.70月分へ0.05月の引き上げが勧告。確定は給与法・条例の改正後
- 国家公務員の12月期は2.375月分(期末1.2875+勤勉1.0875)
- 6月期は2.325月分で支給済み。足して4.70月分
- 6月と12月が均等になるのは2027年度から
- 国家公務員の支給日は12月10日(2026年は木曜)
- ボーナスから住民税と雇用保険料は引かれない
- 月給の差額支給と年末調整の精算も同じ時期に重なる可能性
今年の12月は例年より多いと思って待っていてください。
そして振り込まれたら、使う前に分けること。毎年それを忘れて後悔してきた僕からのお願いです。
