
自分の年金、結局いくらもらえるんだろう



老後のお金を考え始めると、まず気になるのがこの金額ですよね。
僕も現役の頃、自分の見込み額をちゃんと確認したのはFPの勉強を始めてからでした。それまでは、なんとなくの金額しか知らなかったんです。
この記事では、公務員が受け取れる年金の平均額と、勤続年数別のモデルケースを、元公務員でFP2級を持つ筆者が解説します。
■ この記事でわかること
- 公務員の年金の平均受給額
- 勤続年数・役職別のモデルケース
- 年金額の簡易計算方法
公務員の年金は平均するといくらもらえる?





結局、月にどのくらいもらえるの?



ざっくり言うと、月16万円台後半あたりが一つの目安になります。
年金額は勤続年数や年収によって差が出ますが、まずは大まかな相場感をつかんでおくと、この先の話が理解しやすくなります。
老齢基礎年金と老齢厚生年金を合わせた平均受給額
公務員が受け取る年金の中心となるのが、老齢基礎年金と老齢厚生年金です。
厚生労働省の令和5年度データによると、65歳以上・男性の場合、老齢基礎年金部分と老齢厚生年金部分を合わせた平均受給月額は16万9,484円です。長期間フルタイムで厚生年金に加入していた人の実態に近い数字となっています。
「公務員だから高い」というより、「長期・フルタイムで働いた人は高くなりやすい」という一般的な傾向が反映された数字と考えるのが正確です。
年金払い退職給付(3階部分)の目安
老齢基礎年金・老齢厚生年金に加えて、公務員には「年金払い退職給付」という3階部分があります。
これは在職中に積み立てた分に応じて決まる仕組みで、会社員の厚生年金にはない、公務員独自の上乗せ部分です。
国家公務員共済組合連合会が示すモデルケースでは、この3階部分の年金月額は17,299円(終身退職年金8,108円+有期退職年金9,191円)とされています。
【勤続年数・役職別】モデルケースで見る受給額





平均は分かったけど、自分の場合はどうなの?



勤続年数別に具体例を出すと、イメージしやすいと思います。
ここからは、勤続年数の違いによって受給額がどう変わるのか、モデルケースで見ていきましょう。
大卒総合職・35年勤務の場合
大学卒業後すぐに採用され、65歳まで35年ほど勤務したケースを想定します。
老齢基礎年金・老齢厚生年金・年金払い退職給付を合わせて、月額の見込みは19万円前後になることが多いです。
65歳以上・男性の平均額(約16万9,000円)に、公務員独自の3階部分(約1万7,000円)を合わせると、だいたいこの水準になります。
高卒採用・40年勤務の場合
高校卒業後すぐに採用され、65歳まで40年ほど勤務したケースも見てみましょう。
勤続年数が長い分、老齢厚生年金の積み上げが大きくなりやすく、先ほどのケースよりやや高めの水準になる傾向があります。
年金額の簡易計算方法





自分でもざっくり計算する方法ってある?



簡易的な計算式はあるので、一つずつ見ていきましょう。
正確な金額は加入記録がないと分かりませんが、大まかな仕組みを知っておくと理解が深まります。
老齢基礎年金の計算式
老齢基礎年金は、20歳から60歳までの40年間、保険料をきちんと納めた場合に満額が受け取れる仕組みです。
満額は年額でおよそ80万円台、月額にするとおよそ6万8,000円前後です。
未納期間や免除期間があると、その分金額は減っていく仕組みになっています。
老齢厚生年金の計算式
老齢厚生年金は、在職中の平均年収と加入期間に応じて金額が決まる仕組みです。
ざっくり言うと「平均年収 × 加入期間に応じた一定の割合」で計算され、年収が高く、勤続年数が長いほど受給額も増えていきます。
モデルケースの金額は自分にも当てはまるのか





さっきのモデルケース、自分もこの金額になるってこと?



近い金額にはなりやすいですが、あくまで目安です。正確な数字は自分で確認するのが一番確実ですよ。
ここまでのモデルケースを見て「だいたい自分もこのくらいかな」と感じた方も多いと思います。ただ、それがそのまま自分の金額になるとは限りません。
モデルケースはあくまで「勤続年数」と「大まかな年収帯」で計算した一例です。実際の年金額は、昇給のタイミングや異動、扶養状況などによって一人ひとり細かく変わってきます。
正確な金額を知る方法は、実はそれほど難しくありません。厚生労働省が公開している「公的年金シミュレーター」を使えば、生年月日・年収・勤続年数を入力するだけで、自分だけの見込み額をその場で確認できます。
自分だけの正確な金額を知りたい方は、シミュレーターとねんきんネットの使い方をまとめたこちらの記事を参考にしてください。


なぜ公務員の年金は多いと言われてきたのか





ところで、なんで公務員は年金が多いってよく言われるの?



それ、実は今と昔で理由がだいぶ違うんですよ。
ここまで具体的な金額を見てきて、「思ったより会社員と変わらないかも」と感じた方もいるかもしれません。それなのに、なぜ「公務員は年金が多い」というイメージがこれほど根強く残っているのでしょうか。
実はこのイメージ、2015年より前の「共済年金」という制度の名残です。当時は保険料率や給付水準そのものが会社員より優遇されていて、「職域加算」という上乗せもありました。
ただし2015年の一元化以降、保険料も給付の計算方法も会社員とほぼ同じルールに揃えられています。今も残っている差は、3階部分にあたる「年金払い退職給付」のみです。
「多い」と言われる歴史的な背景と、今どのくらいの差が残っているのか、詳しくはこちらの記事で解説しています。


「老齢厚生年金」と「年金払い退職給付」の違いを説明できる?





正直、老齢厚生年金と年金払い退職給付の違いがよく分からない。



ここまで金額の話ばかりだったので、一度制度の名前を整理しておきましょうか。
ここまでの説明の中で、「老齢厚生年金」「年金払い退職給付」といった言葉が何度も出てきましたが、それぞれが何を指しているのか、正確に説明できる方は意外と少ないです。
名前の意味が曖昧なまま金額だけを追いかけていると、将来ねんきん定期便が届いたときに、内訳をうまく読み取れなくなってしまいます。
公務員の年金は、国民年金(1階)・厚生年金(2階)・年金払い退職給付(3階)という3階建ての構造でできています。このうち3階部分の年金払い退職給付だけが、会社員にはない公務員独自の制度です。
制度の全体像を1つずつ整理して知りたい方は、こちらの記事もあわせてご覧ください。


まとめ|年金額だけで老後資金は足りるのか





ここまでの金額が分かったので、あとは年金が入るのを待つだけですね。



実はそこで安心してしまうのが、一番もったいないパターンなんです。
ここまで見てきた金額は、あくまで「年金だけ」の話です。この数字を見て「思ったよりもらえそうだ」と安心した方ほど、実は注意が必要かもしれません。
老後の生活では、年金以外にも医療費や趣味・旅行の費用、住まいの修繕費など、現役時代には意識していなかった支出が積み重なっていきます。年金額だけを見て「足りる・足りない」を判断するのは、実は情報が半分しかない状態なんです。
年金額を把握したうえで、退職金をどう活かすかまで考えておくと、老後の安心感は数字を知る前とはまったく違うものになります。
\ 年金額が分かった今こそ、退職金の活かし方を考えるタイミングです /
「誰に相談すればいいか分からない」という方も多いはず。後悔しない相談先の見極め方を、こちらの記事で詳しく解説しています。




はごもち
- 元役所勤務
- 某県庁へ出向
- 1級土木施工管理技士取得
- ファイナンシャルプランナー取得
- 20年近く公務員として働き早期退職
- 現在はwebライターやブロガーとして活動
- 公務員を続ける人・辞めたい人・なりたい人を応援!
