「公務員の年金って、結局何種類あるの?」
共済年金、厚生年金、職域加算…いろんな言葉が出てきて、混乱しやすいところですよね。
私自身、公務員として働いていた頃も、正直この制度の複雑さには戸惑いました。FPの勉強をして、ようやく全体像が整理できたんです。
この記事では、公務員の年金がどんな種類・構造でできているのかを、元公務員でFP2級を持つ筆者が整理してお伝えします。
■ この記事でわかること
- 公務員の年金の3階建て構造
- 2015年の制度変更前後の違い
- 公務員が受け取れる年金の種類
公務員の年金は「3階建て」構造でできている


「3階建て」ってよく聞くけど、実際どういう意味なの?



年金の仕組みを、建物の階層に例えた言い方なんですよ。
公務員の年金は、大きく3つの層が重なってできています。まずはこの全体像から押さえておきましょう。
【1階部分】国民年金(基礎年金)
年金制度の一番土台になるのが、国民年金(基礎年金)です。
これは公務員に限らず、会社員も自営業も、日本に住む20歳以上60歳未満のすべての人が加入する制度です。
国民年金は、公務員に限らず会社員も自営業も日本に住む20歳以上60歳未満の人が原則として加入する制度です
【2階部分】厚生年金
2階部分にあたるのが厚生年金です。
2015年より前は公務員だけ「共済年金」という別の制度に入っていましたが、今は会社員と同じ厚生年金に統一されています。
在職中の年収と加入期間に応じて金額が決まる、いわば「働いた分だけ上乗せされる」部分です。
【3階部分】年金払い退職給付(旧・職域加算)
3階部分にあたるのが「年金払い退職給付」です。
以前は「職域加算」という名前でしたが、2015年の制度改正で名称と仕組みが変わりました。会社員の厚生年金にはない、公務員独自の上乗せ部分です。
| 階層 | 制度名 | 加入対象 |
|---|---|---|
| 1階 | 国民年金(基礎年金) | 20〜60歳のすべての人 |
| 2階 | 厚生年金 | 会社員・公務員 |
| 3階 | 年金払い退職給付 | 公務員のみ |
2015年の被用者年金一元化で何が変わったのか





「一元化」って言葉、なんだか難しそうです。



簡単に言うと、「公務員だけの制度」を「会社員と同じ制度」に揃えた、ということなんです。
今の制度を理解するうえで欠かせないのが、2015年に行われたこの大きな制度変更です。
【一元化前】共済年金だった時代
2015年9月まで、公務員は「共済年金」という独自の制度に加入していました。
保険料率や給付水準に会社員の厚生年金とは異なる部分があり、「職域加算」という上乗せもありました。
これが「公務員は年金が多い」というイメージの土台になっていました。
【一元化後】厚生年金に統一された今
2015年10月以降、共済年金は廃止され、公務員も会社員と同じ厚生年金に加入する形に変わりました。
ただし、3階部分にあたる「年金払い退職給付」は、公務員独自の制度として今も残っています。
公務員が受け取れる年金の種類まとめ





結局、公務員がもらえる年金って何種類あるんですか?



大きく分けると3種類、それぞれの特徴を見ていきましょう。
ここまでの階層構造を踏まえて、実際に受け取れる年金の種類を一つずつ確認していきます。
老齢基礎年金
老齢基礎年金は、1階部分にあたる国民年金から支給される年金です。
保険料を納めた期間に応じて金額が決まり、40年間しっかり納めていれば満額を受け取れます。
老齢厚生年金
老齢厚生年金は、2階部分にあたる厚生年金から支給される年金です。
在職中の年収と加入期間に応じて金額が決まるため、年収が高く勤続年数が長い人ほど受給額も増えていきます。
退職等年金給付(有期・終身)
3階部分にあたる年金払い退職給付は、「退職等年金給付」とも呼ばれます。
在職中に積み立てた分を、一生涯にわたって受け取る「終身年金」と、一定期間で受け取る「有期年金」に分かれているのが特徴です。
公務員の年金が多いと言われる本当の理由





会社員にはない3階部分があるのは分かったけど、それがなぜ「多い」というイメージになるんですか?



実はそのイメージ、今と昔で意味がだいぶ違うんですよ。
ここまで制度の仕組みを見てきて、「会社員にはない3階部分がある」と分かっても、それがなぜ「公務員は年金が多い」というイメージにつながっているのか、まだぼんやりしていませんか。
実は、そのイメージには歴史的な理由があり、しかも今と昔とでは「多い」の意味がまったく違います。
共済年金時代は、3階部分にあたる「職域加算」が今よりずっと手厚い設計でした。一元化後の今は、年金払い退職給付というモデルケースで月17,299円程度の上乗せに縮小しています。
「多い」と言われる背景と、今の実態がどう変わったのか、詳しくはこちらの記事で解説しています。


公務員の年金は結局いくらもらえるのか





3階建ての構造は分かったけど、結局トータルでいくらもらえるんですか?



勤続年数によって変わるので、モデルケースで見てみましょう。
3階建ての構造や3種類の年金は理解できても、「結局、自分は毎月いくら受け取れるのか」がまだ見えていない、という方も多いのではないでしょうか。
制度の名前を知っているだけでは、老後の生活費が足りるかどうかの判断はできません。具体的な金額をイメージして初めて、今からの備え方が見えてきます。
公務員の年金は、勤続年数35年前後で月20万円前後というのが一つの目安です。年収や勤続年数によって、この金額は人それぞれ変わってきます。
勤続年数・役職別のモデルケースを使って、自分に近い金額をこちらの記事で確認してみてください。


自分の年金額はモデルケース通りなのか





モデルケースの金額は分かったけど、自分もこの通りになるんですか?



いいえ、あくまで目安なので、自分の条件で試算してみるのが確実です。
モデルケースで大体の金額はつかめても、それはあくまで「他の人の目安」であって、自分自身の正確な見込み額ではありません。この違いを意識せずに老後の計画を立てるのは、少し心もとないかもしれません。
自分の加入記録に基づいた正確な数字は、公的なツールを使えば誰でも無料で確認できます。
厚生労働省の「公的年金シミュレーター」や「ねんきんネット」を使えば、生年月日や年収、勤続年数を入力するだけで、自分だけの見込み額が試算できます。
モデルケースと自分の実際の数字、両方を知りたい方は、試算ツールの使い方をまとめたこちらの記事を参考にしてください。


