退職金で住宅ローン完済すべき?メリットと落とし穴を解説

当ページのリンクには広告が含まれています。
退職金で住宅ローン完済すべき?メリットと落とし穴を解説

「退職金が出たら、住宅ローンはすぐ完済すべき?」そんな風に悩んでいませんか。

借金がある状態が気持ち悪くて、深く考えずに完済を決めてしまいたい気持ちよく分かります。

ですが、退職金は住宅ローンの完済か老後資金かの二択で考える必要はなく、一部返済と運用を組み合わせるという選択肢もあります。

この記事では、退職金で住宅ローンを完済するメリット・デメリットから、後悔しないためのバランスの取り方まで、元地方公務員でFP2級を持つ筆者が分かりやすく解説します。

この記事はこんな方におすすめです

  • 退職金で住宅ローンを完済すべきか、繰上返済すべきか迷っている方
  • 「借金がある状態」が気持ち悪くて、早く消してしまいたいと感じている方
  • 完済したあと、老後の生活費が足りなくなるのではと不安な方
  • 完済と資産運用、どちらを優先すべきか判断材料がほしい方
  • 配偶者にもきちんと説明できる、納得感のある選択をしたい方
目次

定年後も住宅ローンが残っている人は多い【平均残高データあり】

定年後も住宅ローンが残っている人は多い

もう定年なのに、まだローンが残ってる…自分だけなんじゃないかって不安になる

筆者

実はそれ、珍しいことじゃないんですよ。まずはデータで実態を見てみましょう

定年後もローンが残っているのは、決して特別なことではありません。まずは残高と退職金、それぞれの平均を確認していきましょう。

60代・70代の住宅ローン残高の実態

60代になっても、住宅ローンを完済できていない人は少なくありません。

金融広報中央委員会の調査によると、60歳代の住宅ローン残高は平均733万円、70歳代でも平均233万円残っているというデータがあります。さらに、住宅ローン利用者の平均年齢自体も上がってきていて、フラット35を使う人の平均年齢は44.5歳です。マイホームを持つ年齢が遅くなれば、それだけ完済も後ろ倒しになりますよね。

定年時に残債があるのは、ある意味自然な流れとも言えます。焦って結論を出す前に、まずは自分の状況を客観的に整理してみましょう。

フラット35とは

フラット35とは、住宅金融支援機構と民間の金融機関が提携して提供している、返済期間中ずっと金利が変わらない全期間固定金利型の住宅ローンです。名前の「35」は、借入期間が最長35年であることに由来しています。

退職金の平均支給額はどのくらい?

退職金の額は学歴や勤続年数によって大きく変わってきます。

厚生労働省の令和5年就労条件総合調査によると、大学・大学院卒(管理・事務・技術職)の定年退職による退職金平均は1,896万円、高校卒(管理・事務・技術職)は1,682万円となっています。

学歴・職種退職金平均額
大学・大学院卒(管理・事務・技術職)1,896万円
高校卒(管理・事務・技術職)1,682万円
高校卒(現業職)1,183万円

まとまった金額に見えますが、老後の生活費や医療費も考えると、決して余裕がある金額とは言い切れません。だからこそ、使い道は慎重に考えたいところなんですよね。

退職金で住宅ローンを完済すべき?多くの人が抱える悩み

退職金で住宅ローンを完済すべき?多くの人が抱える悩み

退職金が入ったら、とりあえず全部ローンに回すべきなのかな

筆者

そう考える人、実はとても多いんです。でも一度立ち止まって考える価値がありますよ

「借金があるのは気持ち悪いから、とにかく消したい」という感覚、よく分かります。でもその判断、本当に自分に合っているか一緒に確認してみましょう。

「とりあえず完済」は本当に正解?思考停止になっていないか

退職金が入った瞬間、反射的に「ローンを消そう」と決めてしまうのは、少し立ち止まってほしいところです。

借金がある状態への気持ち悪さから、深く考えずに全額返済してしまう人も多いもの。

実際、住宅金融支援機構の調査では、約9割の人が住宅ローンの返済に何らかの不安を感じているという結果も出ています。

不安を早く消したい気持ちは自然ですが、完済してから「思ったより手元にお金が残っていない」と後悔するケースもあります。安心感だけで判断すると、老後の資金計画に影響が出ることもあるので気をつけたいですね。

完済するかどうかより先に、家計全体を見渡して考えるのがおすすめです。次の章から具体的な返済パターンを見ていきましょう。

退職金で住宅ローンを返済する3つのパターン

退職金で住宅ローンを返済する3つのパターン

返済するにしても、全額と一部でどう違うのかよく分かってない

筆者

実は繰上返済にも種類があって、選び方次第で効果が変わってくるんですよ

ひとくちに繰上返済といっても、方法は一つではありません。ここでは代表的な3つのパターンを紹介します。

一括返済(全額繰上返済)

残っているローンをまとめて返してしまう方法です。

完済すれば毎月の返済がなくなり、利息の負担もそこで打ち切りになります。家計がシンプルになるのは大きな魅力ですよね。

ただし、退職金の大部分を一度に使うことになるので、老後資金として残しておきたい分まで減らしてしまわないか、事前にしっかり確認しておく必要があります。

手元資金がどれだけ残るか、返済前に必ずシミュレーションしておきましょう。

一部繰上返済(期間短縮型)

毎月の返済額はそのままに、返済期間を短くする方法です。

期間が短くなる分、支払う利息の総額を大きく減らせるのがメリットです。全額を使わずに一部だけを充てられるので、手元資金を残しながらローン負担を軽くしたい人に向いています。

ただし毎月の支払額自体は変わらないため、家計のゆとりをすぐに感じにくい面もあります。目的が「利息を減らすこと」なのか「毎月の負担を軽くすること」なのかで、選ぶべきパターンが変わってきますね。

一部繰上返済(返済額軽減型)

返済期間はそのままに、毎月の支払額を減らす方法です。

年金生活に入って収入が減る人にとって、毎月の負担が軽くなるのは心強いポイントです。利息の軽減効果は期間短縮型より小さくなりますが、日々の家計のゆとりを優先したい場合はこちらが向いています。

どちらのタイプを選ぶかは、利息を減らしたいのか、毎日の暮らしを楽にしたいのか、自分の優先順位で決めるのがポイントです。

パターン特徴向いている人
一括返済ローンをゼロにできる手元資金に余裕がある人
期間短縮型利息の軽減効果が大きい毎月の負担より総支払額を減らしたい人
返済額軽減型毎月の負担が軽くなる年金生活で家計にゆとりを持ちたい人

退職金で住宅ローンを完済するメリット

退職金で住宅ローンを完済するメリット

完済したら具体的にどんないいことがあるんだろう

筆者

お金の面だけじゃなく、気持ちの面でも変化があるんですよ

完済にはお金の面と心の面、両方にメリットがあります。順番に見ていきましょう。

金利負担を減らせる

ローンを早く返すほど、支払う利息の総額は少なくなります。

返済期間が長く残っているほど、これから支払うはずだった利息も多く残っているということ。完済すればその分がそのまま浮くことになります。特に借入時の金利が高めだった人ほど、この効果は大きく感じられるはずです。

今の金利タイプや残債を一度確認して、完済した場合にどれくらい利息が減るのか、具体的な数字で把握しておくと判断しやすくなります。

毎月の支出が減り、家計管理がラクになる

ローンがなくなれば、毎月の固定費が一つ丸ごと消えることになります。

年金収入が中心になる老後の家計では、この固定費の軽さがそのまま暮らしやすさに直結します。

返済額を気にせず生活費をやりくりできるので、家計簿をつける手間も減りますし、収支の見通しも立てやすくなるでしょう。

毎月決まった支払いがなくなるだけで、想像以上に気持ちに余裕が生まれるものなんです。

「借金がない」という精神的な安心感が得られる

数字だけでは測れない安心感も、完済の大きなメリットです。

「借金がある」という状態そのものにストレスを感じる人は多く、完済することで気持ちが軽くなったという声もよく聞きます。

配偶者に対しても「もうローンはない」と伝えられるのは、家庭の安心材料にもなりますよね。

合理性だけでなく、こうした心の負担が減ることも、立派な判断材料の一つです。

退職金で住宅ローンを完済するデメリット・注意すべきリスク

退職金で住宅ローンを完済するデメリット・注意すべきリスク

完済すればいいことばかりな気がしてきた

筆者

実はデメリットもいくつかあって、知らずに完済すると後悔するケースもあるんです

完済には見落としがちな注意点もあります。ここで一度、リスク面も確認しておきましょう。

  • 老後資金が不足するリスクがある
  • 団体信用生命保険がなくなる
  • 住宅ローン控除が使えなくなる
  • 手元の流動資金が一気に減る

老後資金が不足するリスクがある

退職金の多くを完済に使ってしまうと、老後資金が心細くなる可能性があります。

厚生年金と国民年金を合わせた平均受給額は月147,360円程度とされていて、年金だけで生活費をすべてまかなうのは簡単ではありません。医療費や介護費、家のメンテナンス費用など、想定外の出費は必ず出てくるもの。

完済して手元資金が減った状態で予想外の出費が重なると、生活が一気に苦しくなってしまいます。完済前に、老後にかかる費用も含めて資金計画を立てておくことが欠かせません。

団体信用生命保険がなくなる

住宅ローンを完済すると、団体信用生命保険(団信)も同時になくなります。

団信とは、契約者にもしものことがあった場合に、残りのローンを保険会社が代わりに支払ってくれる仕組みのこと。完済すればローン自体が消えるので保障も不要になりますが、逆に言うと「もしもの時の保障」を一つ手放すことにもなります。

他の生命保険で必要な保障がまかなえているか、完済前に一度見直しておくと安心です。

住宅ローン控除が使えなくなる

ローン残高に応じて税金が軽減される住宅ローン控除も、完済すれば受けられなくなります。

控除の適用期間が残っている場合、完済のタイミング次第では、その年の控除を丸ごと受けられなくなることもあるんです。

控除で戻ってくる金額と、繰上返済で減らせる利息、どちらが大きいかを比較してから判断すると、無駄のない選択がしやすくなります。

年末や年度の途中に完済を考えている人は、特に注意したいポイントです。

手元の流動資金が一気に減る

完済に退職金の大部分を使うと、いざという時に動かせるお金が急に少なくなります。

急な入院や家の修繕、家族の急な出費など、まとまったお金が必要になる場面は年齢を重ねるほど増えていくもの。手元資金が少ないと、そうした事態にすぐ対応できず、結局カードローンなど条件の悪い借入に頼らざるを得なくなることもあります。

完済を考える際は、生活費の何ヶ月分かを手元に残しておく「生活防衛資金」の考え方も、あわせて知っておきたいところです。

退職金は「完済」か「老後資金」かではなくバランス型が正解

退職金は「完済」か「老後資金」かではなくバランス型が正解

完済も怖いし、残すのも不安だし、結局どうすればいいんだろう

筆者

実はその二択で悩む必要はなくて、間を取るという選択肢もあるんですよ

「全額返す」か「全額残す」かで考えると迷いやすいもの。3つのケースで手元にどれくらい残るかを比べてみましょう。

全額返済に充てた場合のシミュレーション

退職金のほとんどを完済に回すと、ローンという負担はなくなります。

ただし手元に残る現金はかなり少なくなるため、その後の生活費や急な出費はほぼ年金や貯蓄だけでまかなうことになります。

精神的な安心感は大きい一方、資金的な余裕はもっとも小さくなる選択と言えるでしょう。完済後の生活費が本当に年金でまかなえるか、事前に試算しておくことが欠かせません。

全額老後資金に残した場合のシミュレーション

退職金に手をつけず、ローンをそのまま返し続ける選択もあります。

手元資金にゆとりが生まれる分、急な出費にも対応しやすくなります。ただし毎月のローン返済は続きますし、支払う利息の総額も減りません。

「借金がある」という状態が続くことへの心理的な負担を感じる人にとっては、ストレスが残りやすい選択でもあります。

筆者

資金面の安心と気持ちの安心、どちらを優先するかで見え方が変わってくるんですよね。

一部繰上返済+残りを運用に回した場合のシミュレーション

退職金の一部だけを返済に充て、残りを資産運用に回すという選択肢もあります。

ローン負担を軽くしながら、手元資金をただ置いておくのではなく育てていく考え方です。運用には値動きのリスクがあるものの、低金利の預金に置いておくだけでは資産が増えにくいのも事実。

完済一択でも、全額温存でもない「間を取る」選択肢として、近年注目されている方法です。

選択肢手元資金心理的な安心感
全額返済少なくなる大きい
全額温存多く残る借金への不安は残る
一部返済+運用バランスが取れる負担を減らしつつ資産形成も目指せる

\ 自分に合ったバランスが分からない方はこちら /

退職金で住宅ローンを完済する際に確認すべき2つの注意点

退職金で住宅ローンを完済する際に確認すべき2つの注意点

完済すると決めたら、他に気をつけることはある?

筆者

実行する前に確認しておきたいことが2つあるので、押さえておきましょう

完済を決めたあとも、行動する前にチェックしておきたいポイントがあります。

生活防衛資金は必ず残しておく

完済を優先するあまり、手元資金をすべて使い切ってしまうのは避けたいところです。

生活防衛資金とは、病気や介護、住宅の修繕など、急にまとまったお金が必要になったときのための備えのこと。目安として生活費の半年〜1年分ほどを現金で確保しておくと、いざという時にあわてずに済みます。

この資金まで完済に回してしまうと、急な出費に対応できなくなるので気をつけましょう。

繰上返済の手数料や条件を事前に確認する

繰上返済には、金融機関ごとに手数料や条件が設定されています。

手数料の有無や金額、一部返済の最低金額、手続きに必要な書類などは、契約している金融機関によって異なります。

せっかく完済してもタイミングが悪いと、住宅ローン控除を丸々一年分損してしまうこともあるため、実行前に窓口やウェブサイトで最新の条件を確認しておくと安心です。

退職金の使い道に迷ったら専門家に無料相談しよう

退職金の使い道に迷ったら専門家に無料相談しよう

結局、自分の場合はどうすればいいのか、まだ迷ってる

筆者

一人で決めきれないときは、専門家に一度話を聞いてみるのも一つの手ですよ

完済するか、残すか、バランス型にするか。正解は家庭ごとに違うので、一人で抱え込まず整理してみましょう。

退職金の使い道は、家族構成や資産状況、これからの働き方によって最適な形が変わってきます。ネットの情報だけで判断するより、中立な立場のファイナンシャルプランナーに一度話を聞いてみると、自分では気づけなかった選択肢が見えてくることもあります。相談したからといって、必ず何かを契約しなければいけないわけではありません。

「完済すべきか」で一人悩み続けるより、まずは専門家と一緒に整理してみる方が、納得のいく答えにたどり着きやすいものです。

退職金で住宅ローンを完済するかどうか迷ったら、一度専門家に整理してもらいませんか。強引な勧誘のない、中立な立場のFPに無料で相談できます。

以下の記事から、あなたに合った相談先が見つかります。

この記事を書いた人
はごもち

はごもち

  • 元役所勤務
  • 某県庁へ出向
  • 1級土木施工管理技士取得
  • ファイナンシャルプランナー取得
  • 20年近く公務員として働き早期退職
  • 現在はwebライターやブロガーとして活動
  • 公務員を続ける人・辞めたい人・なりたい人を応援!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次