地方公務員(土木職)の仕事内容とメリット・デメリットを徹底解説

当ページのリンクには広告が含まれています。
地方公務員(土木職)の仕事内容とメリット・デメリット

現在大学生で地方公務員になりたいけど、具体的にどんな仕事をするのか分からない方。
地方公務員への転職を検討していて、どんな仕事内容か詳しく知りたい方。

この記事を読むと、土木職の地方公務員がどんな仕事をしているのか、また地方公務員になるメリットとデメリットが分かります。

こんな人におすすめ
  • 地方公務員の土木職を目指す方
  • 地方公務員の土木職になろうか悩んでいる方
目次

地方公務員(土木職)の主な仕事内容

筆者

地方公務員の中でも土木職の主な仕事内容は次のとおりです

公共工事の設計

ほとんどの工事の設計は土木コンサルタントに発注します。

契約したコンサルタント会社が、現地の測量や工事の計画をたて図面を作成し、その図面を見ながら打ち合わせを重ねていき、工事を発注するための図面やその図面どおり工事をするために必要な材料・人数を積み上げた設計書を作成します。

公共工事の発注~完成後の支払い

流れを簡単に言うと、以下のようになっています。

  1. 入札~契約までの手続き(だいたい総務課など契約担当をする課でしてくれますが、土木職の人間も決裁を作成したりします。)
  2. 地域の議員、自治会、地域住民への工事の挨拶
  3. 工事の監督(施工業者との打合せ、現場での立会い、近隣住民とのトラブル解決)
  4. 検査官が検査を行う
  5. 施工業者への支払い手続き
筆者

2の工事の挨拶を丁寧にしないと後々面倒なことになります

国の調査に対する回答作成

さまざまなことに対して自治体の進捗を知るための調査が国からあります。

これは簡単なものから資料作成に時間のかかるものまで月に10件程度あります。

筆者

主に係の仕事全体を把握している係長以上の方が対応していると思います

補助金に対する諸手続き

規模の大きい工事では国や都道府県の補助金をもらって行うものがあります

補助金をもらうことで工事をするために自治体が支払う費用が安くなります。

主な手続きは次のとおりです。

  • 交付申請
    国や都道府県から「この金額だけ補助するよ」という通知をもらい、それに対して改めて「もらいますよ」という申請
  • 完了報告繰越申請
    完了報告は「今年度の工事は完了しました」という報告。繰越申請は「工事が次の年度にまたがりそうなので、期間を延ばさせください」という申請
  • 請求書
    補助金をだしているところに請求して補助金をもらいます。

他にも、次の年度に予定している工事に対して補助金をお願いするための要望書の提出などもあります。

議会の答弁書の作成

臨時を除き基本的には6月、9月、12月、3月に議会があります。その際に議員から質問があれば、それに対する答弁書を作成します。

係長や課長補佐などが作成した答弁書を課長や部長や首長(都道府県知事や市区町村長など自治体のトップのこと)が見て添削していきます。

別の記事では議会答弁書の書きかたについて説明しています。

議会答弁書の作成は地方公務員にとって大事な仕事です。

一度どのように作成するのかを見ておくと「なんか面倒くさいなぁ」という気持ちがなくなり、「これくらいならできるか」という気持ちになると思います。

次年度の予算要求

先ほどの国や県に対する予算要求と同じように、自治体の中でも「次の年にこんな設計や工事をするので予算をください」と財務部局へ要望をするべく、要望資料を作成します。

それを財務部局が確認し「この事業は、これくらいの予算だな」と査定をします。

もし財務部局が査定した予算ではどうしてもやっていけないのであれば、2次査定というものがあり、再度要求をすることができます。

工事をする側からすれば「財務部局は現場のことを分かっていない」と思うかもしれませんが、財務部局は財政の健全化を図る必要があるため、財務部局のことも考えた予算要求をすることが大事です。

会計検査

国から補助金をもらって事業をしているところは、2~5年に1度、国の機関である『会計検査院』の検査を受けます。

これに合格しないと「不当に補助金をもらっていることが分かりました。不当な部分に関して補助金を返してもらいます!」と言われてしまいます。

会計検査を受けるための準備には長くて2か月、短いと1か月しかありません。
2~5年間に実施した補助事業について工事内容や書類などの再確認が必要です。

筆者

何の工事が対象になるかは、検査の前日にならないと分かりません

申請の受付・許可書の作成や市区町村への助言

迫力の豊稔池ダム(香川県観音寺市)

都道府県庁の職員は、庁舎で働く人と土木事務所など出先機関で働く人がいます。

それぞれで仕事内容は全く異なり、庁舎で働く人は工事の監督を直接することはありません。

各出先機関のまとめをしたり、市区町村に対して助言をしたり、都道府県全体の計画を立てたりと、大きな視点での仕事をすることになります

また役所では工事以外の仕事で民間からの申請の受付があります。

都市計画関係であれば、土地の開発に関する申請が民間から提出され、その確認と回答が必要です。

下水道関係であれば「家に汚水管をいれるので許可をしてほしい」という申請が、民間事業者や個人からあるので受付と回答をします。

設計、工事以外にもいろいろと事務手続きが盛りだくさんです
きちんと法令を覚えておく必要があります

地方公務員になって大変なこと

トンネル自動車道

具体的な仕事内容は分かったけど、いまいちイメージができない。
実際に働いて大変なことを知りたい

そんな方に地方公務員になって大変なことと、実際に地方公務員になって良かったことをお話ししていきます。

大変なこととしては次の3つです

仕事量が多い

土木系の民間企業でも同じかと思いますが、人員の削減はどんどん進んでいます。

そのため、ほとんどの部署で20年前に比べると人員が半分になっているなんて部署も。

しかし仕事量は減っていないため、1人当たりの仕事量は多く、残業している人はかなりいます。

22時ころに役所を見ると電気が付いていることでしょう。

公務員は17時のチャイムと同時に退庁していると思っている人が少なくないと思いますが、全然そんなことはありません。

人間関係がせまい

市区町村の土木職となると、同じフロアで異動することもありますし、10年以上ずっと同じ課でいる人も存在します。

10年以上もいると「ワシがいないと仕事がまわらない!」などと王様気どりな人も…。

人間関係が変わらないので、すぐに怒鳴ったり感情的に話をする人と同じ課になってしまうと大変です💦

筆者

都道府県庁でしたら異動先が多いので、異動すれば苦手な人とはしばらく会わないで済みます

住民対応が難しい

県の職員なら県民が、市区町村の職員であれば市区町村民全員がお客様ということになります。

住民にはいろんな方がいるので、対応は難しく、正解はありません。

「ワシらの税金で飯食ってる」という意識を持たれている方も多く、実際に言われることもあります。

ココロが折れてしまいそうになるような暴言を吐かれることもたまにあります。

地方公務員になってよかったこと

建設現場で話す男女
筆者

地方公務員(土木職)になってよかったこともありますよ!

安定している・クビがない

地方公務員に限りませんが、公務員の一番の利点は『クビがなく安定していること』だと思います。

土木系の民間企業はずっと景気がよくない印象です。潰れてしまう土木会社もあります。

それに比べると、公務員は年功序列である程度は出世できますし、定年を迎えると退職金がもらえるため、老後の心配をしなくてもいいのです。

筆者

公務員とはいえ、数年後には退職金が減っているということはありそうです…

転勤がない

国家公務員との違いは、転勤がないため居住地域を変えなくてもいいことです。

地方公務員の中でも、市区町村になると基本的に同じ建物の中での異動となります。

職場の近くに住めば、退職するまで通勤に時間をかける必要がありません。

住民のためになる

工事をしてインフラが整備されると、「地域の人のためになっている」と実感することができます。

自分のやっている仕事に対して「うれしい」「便利になった」と思ってもらえることは、非常にありがたいことです。
地方公務員はこれをたくさん体験することができます

例えば「よく通る道路がきれいになった」「海の近くで住んでいるから堤防を高くしてもらえて安心して暮らせるようになった」「下水道の管を入れてくれたから、居住環境がよくなった」など、地域の住民に対して直接イイコトができるのは、他にはない仕事です。

まとめ

「公務員は夢がない」や「やりがいがない」という声を聞くこともあるかもしれませんが、決してそんなことはなく、仕事の仕方によってはライフラインの整備だけでなく、地域の発展のために大きなお金で大きな仕事をすることもできます。

首長のやりたいことを直接受けて仕事をする人は、首長の意図に沿った街づくりに参加することができます。

やり方次第でいくらでもやりがいを感じる仕事に携わることができます。

この記事が、地方公務員を目指している方のお役に立てると幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

    よかったらシェアしてね!
    • URLをコピーしました!
    • URLをコピーしました!
    目次