「公務員を辞めたいけど、ほかにしたいことがない。」と悩んでいませんか。
毎日同じルーティンに追われ、モチベーションがどんどん低下していく日々。
「このままここに居続けるのが正しいのだろうか?」という思いが頭から離れずに悩んでいるのではないでしょうか。
私は役所で働いていた20年弱、頭の片隅には常にこの思いがあり、モヤモヤとした時間を過ごしました。
もしかしたら、あなたの心の中にも「もっと自分らしく生きたい」「新しいチャレンジをしたい」という気持ちがあるのではないでしょうか。
しかし、その一歩を踏み出すのは怖いし、何をどう始めればいいのかもわからない。
「どんな方法で転職を成功させることができるのか」、「公務員をやめて後悔しないのか」考えてしまうのは当然です。
この記事では、公務員としての安定した生活から一歩踏み出し、自分に合った新しい未来を手に入れるためのステップやコツをお伝えします。
転職活動の具体的な進め方から、退職のタイミング、さらに転職後の生活設計まで、すべての不安を解消するための情報がここにあります。
新しい仕事に挑戦することは、未来に対してワクワク感をもたらします。
後悔しないために、そして自分らしい人生を取り戻すために、一緒に一歩を踏み出しましょう。
- 公務員から転職を考えている人
- 公務員を退職したい人
- 退職するための手続きを知りたい人
公務員を辞めたいと考える理由
「今のままで良いのかな」と何となく思っているだけでは、何も解決できません。
まず、その「何となく」を一緒に明確にしていきましょう。
仕事にやりがいを感じられない
公務員として仕事にやりがいを感じられないことは、珍しいことではありません。
仕事にやりがいを感じられない理由の一つに、「自分のやったことが目に見える形で成果として現れにくい」という点が挙げられます。
公務員の仕事は、社会全体や地域のために役立つことが多いですが、その影響や結果がすぐに目に見えて分かることは少ないです。
例えば、インフラ整備や市民サービスをサポートする仕事は、大きな変化をもたらしていても、喜んでいる人の顔が見えず、その成果を実感しにくい場合があります。
民間企業での仕事と違い、「売上が増えた」や「お客様から感謝された」という直接的なフィードバックが少ないため、モチベーションを保つのが難しいのです。
実際に、国家公務員へのアンケート結果をまとめている『公務員白書』によると、30代の公務員の約30%が「やりがいを感じない」と回答しています。
これは、部活で一生懸命練習してもなかなか成果がでないことに似ています。
サッカーやバスケットなどで、たくさん努力をしても試合で勝てないと、「頑張ってる意味があるのかな?」と思ってしまいますよね。
でも、しばらく時間が経ったあとで、「体力がついてきた」「シュートが入るようになってきた」など気づくこともあります。
公務員の仕事も同じように成果を実感するのに、時間がかかることが多いもの。
すぐに結果が見えない中で、やりがいを感じられない人は多くなっているのでしょう。
すぐに結果が見えないからこそ、「自分が社会に貢献している」という意識を持つことが大切です。
人間関係がうまくいかない
- 目的がバラバラな人が集まっている
- 「私がいないと回らない」という職員がいる
- 市や町など小さい役場では異動が少なく、異動しても同じ建物であること
「人間関係がうまくいかない」と感じることは、よくある悩みのひとつ。
例えば、総務省の「令和2年度メンタルヘルス対策に係るアンケート調査の概要」では、メンタルヘルス不調による休務者は21,676人おり、休務の理由のうち60%は「職場の対人関係」と回答しています。
このデータからも、多くの人が同じ悩みを抱えていることがわかります。
職場での人間関係が難しくなる理由の一つに、目的がバラバラな人が集まっていることが考えられます。
「民間企業だって目的がバラバラだよね」と思うかもしれませんが、高い志を持って公務員になった人は少なく、民間企業よりも「生活のためだけ」「定時で帰れるから」という人が多い印象です。
公務員は「みんなでこの事業を成功させよう!」という一つの目的を目指す機会が少ない。
そんな中で、時には意見が合わないことや、コミュニケーションがうまく取れないことが出てきてしまいます。
職場での人間関係が難しくなる理由の二つ目に、「私がいないと回らない」という職員がいることがあります。
例えば公務員の職場では、長く同じ部署に所属するベテランの人が存在します。
その人が、昔からのやり方や独自のやり方を大切にしていて、新しく配属された人が「もっと効率的な方法でやりたい」と言って対立する。
公務員は自分の成果が数字で見えづらい分、「私がいないとこの課は回らない」と思わせて自分の存在意義を植え付けたいのです。
これも人間関係が難しくなる原因のひとつです。
職場での人間関係が難しくなる理由の三つ目に、特に市や町では異動が少ないことがあります。
市や町など小さい役場では異動が少なかったり、異動しても同じ庁舎内ということがある。
そうなると、苦手な人と物理的に離れることができないため、苦手な人が増えることはあっても、その人が退職していくまでは、減ることはありません。
収入が働きに見合っていないと感じる
自分が頑張って働いているのに、それに見合うお金がもらえないと感じると、やる気がなくなってしまうこともあります。
公務員の給与は、多くの場合、年齢や経験に応じて決められていて、仕事の成果や努力だけでは大きく変わらないことがあります。
これが、公務員として働く人たちが「もっと頑張っているのに、収入が増えない」と感じる理由の一つです。
公務員の平均給与は安定しているものの、民間企業で成果によって給与が変わる仕組みと比べると、昇給スピードが遅いと感じます。
頑張っている人は、成果を出しても収入があまり増えないため、「働きに見合っていない」と思います。
収入が働きに見合っていないと感じることは、特に公務員のように成果に対して報酬があまり変わらない職業では起こりやすいもの。
ただし、公務員の給与は安定しており、長く働くことで少しずつ昇給し、退職時に手当が多くもらえます。
もし不満があるなら、転職して自分の力を試すことが解決策になります。
時間外労働が多すぎる
長時間労働は、公務員でも大きな問題です。
公務員は、多くの人の生活を支える仕事をしています。
そのため、急に問題が起こったり、イベントがあったりすると、定時に仕事が終わらないことがよくあります。
また、職員の数が限られている中で、多くの仕事をこなさなければならないため、時間外労働が増えるいっぽう。
例えば、総務省のデータ(平成27年度)によると、地方公務員の平均的な時間外労働時間は、年間300時間以上にも及ぶことがあります。
これは、月に換算すると25時間以上、つまり毎日1時間以上の残業をしていることになります。
これは平均なので、あなたも月80時間を超える残業をしたことがあるかもしれません。
時間外労働が多いと、心や体に負担がかかるため、大きな問題になります。
残業が続く場合は、職場の上司に相談したり、働き方を見直すことが大切です。
時間の管理をしっかりすることで、健康的に働くことができるようになります。
今後のキャリア形成に不安を覚える
将来の仕事や、自分が成長できるかどうかに不安を感じることは、きちんと将来を考える公務員の方なら起こり得ることです。
公務員は、決まったルールの中で働くことが多く、民間企業のように大きな変化や挑戦が少ないことがあります。
そのため、今の仕事を続けていくだけで良いのか、それとも何か新しいことに挑戦すべきなのか、不安を感じる人が多くなる。
例えば、スキルを身につけたり、新しい部署に異動したりといったことが、民間企業ではキャリアアップの手段としてよくありますが、公務員は一度配属されると異動や新しい経験の機会が少ないことがあります。
実際、「公務員白書」によると、30代公務員の約7割の人が「将来のキャリアに不安がある」と答えています。
多くの公務員が自分の将来に対して悩んでいます。
公務員として働く中で、キャリア形成に不安を感じるのは自然なことです。
自分のスキルや目標を見直し、必要に応じて新しい挑戦を考えることも大切。
相談できる人を見つけたり、職場以外で新しい学びの機会を探すことで、将来の不安を解消できることもあるでしょう。
公務員を辞めるデメリット5選
公務員を何で辞めたいのかが明確になったところで、公務員を辞めることのデメリットを考えましょう。
公務員をやめるとどんなデメリットがあるのかを知らなければ、後悔する確率が上がってしまいます。
社会的信用度が低下する
公務員を辞めると、「社会的信用度が低くなる」ことがデメリットの一つとして挙げられます。
社会的信用度とは、他の人や会社から「この人は信用できる」と思われる度合いのこと。
特に銀行や住宅ローンなど、お金を借りるときや、家を買うときに効力を発揮します。
公務員は仕事が安定しているため、お金を貸す側(例えば銀行など)にとって安心感があります。
一方で、公務員を辞めて他の仕事に就いた場合、安定性が低いとみなされることもある。
例えばフリーランスはフリーターのような思われ信用が低くなることも。
このように公務員を辞めると、社会的信用度が低下することはありますが、ローン返済計画や保険を見直したり、自分に合った新しい仕事で成果を出すことで、再び信用が得られるようになります。
安定性がなくなる
公務員を辞めると、仕事の「安定性がなくなる」ことがデメリットのひとつです。
公務員の仕事は景気に左右されにくいため、経済が悪くなっても解雇されません。
公務員は国や自治体が運営している組織で働いているため、民間企業に比べてリストラされにくいです。
たとえば、景気が悪くなって民間の会社では倒産や人員削減が起こることがありますが、公務員はそれがない。
一方、公務員を辞めて別の仕事に就くと、会社によっては経済の影響で仕事が不安定になることがあります。
特に民間企業では、景気が悪い時に解雇されたり、減給されることがあるので、公務員ほどの安定性を感じにくくなる場合があります。
公務員を辞めると、仕事の安定性が減ることはデメリット。
しかし、安定しているかどうかよりも、自分にとってやりがいのある仕事や、自分の能力を活かせる仕事を選ぶことも大切です。
しっかりと準備をして転職することで、リスクを減らすことができます。
公務員は失業保険を受けられない
失業保険は、失業して働いていない時に生活を支えるためのものです。
公務員が退職した場合、この失業保険は受けられません。
失業保険がない代わりにあるのが退職手当です。
失業保険相当分の退職手当がもらえます。
「退職手当と失業保険の両方もらえると思っていた」ということが無いように注意しましょう。
退職前にしっかりと生活資金の準備をしておくことは大切です。
退職後に困らないように、しっかりと計画を立てておきましょう。
退職手当が減る
退職手当は、勤めた年数に応じて支払われるお金です。
公務員として長く働けば、その分退職金が多くなりますが、短い期間で辞めてしまうと、もらえる退職金が少なくなってしまいます。
たとえば、10年勤めた人と30年勤めた人では、当然もらえる金額が違います。
これはどの職業でも同じですが、公務員の場合も同様。
もし退職を考えているなら、退職金のことも考えて決断することも大切です。
転職活動をする必要がある
公務員を辞めた後、次の仕事を見つけるためには転職活動をする必要があります。
新しい仕事を探すために、多くの時間や努力が必要です。
自分に合った仕事を見つけるためには、履歴書を書いたり、面接を受けたりする必要があります。
さらに、たくさんの会社の中から、自分がやりたい仕事や条件に合うものを探さなければなりません。
これには時間や手間がかかるため、簡単なことではないのです。
公務員よりも待遇がよく働きがいのある職種につきたいと思いますし、失敗はできるだけしたくないので、かなり神経を使いますよね。
たとえば、あなたが「何をやりたいのかはっきり決まっていない」のであれば、自己分析をする必要があります。
公務員を辞めると、次の仕事を見つけるための転職活動が必要で時間や労力がかかるのがデメリット
新しい仕事をスムーズに見つけるためには、たくさんの準備が必要です。
公務員を辞めて転職するメリット4選
「公務員をやめるデメリットは大きいなぁ」と不安になった方もいるかもしれませんが、もちろんメリットもあります。
いかにメリットを4つ挙げるので、もし気分が高揚する感覚がでてきたら、転職を考えてみましょう。
自由時間が増える
公務員を辞めて転職すると、自由な時間が増えることがあります。
つまり、今よりも自分の好きなことや家族と過ごす時間が増える可能性があるということです。
公務員の仕事は、時には残業や休日出勤が多く、予定通りに休めないことがありますよね。
災害が発生した時には緊急で招集がかかる方は、大雨になると「そろそろ警報がでるかな」と緊張感がつづくものです。
しかし、転職先によっては、働く時間がもっと自由に決められたり、残業が少ない職場を選ぶことができます。
たとえば、フレックスタイム制度を採用している企業では、出勤時間を自分で調整できることも。
これにより、仕事が終わったあとに趣味や友達との時間を楽しむことができます。
公務員を辞めて転職することで、仕事のスケジュールをもっと自分でコントロールできるようになり、自由な時間が増える可能性がある
自由な時間が増えることで、新しいことに挑戦するチャンスも広がります。
収入アップが見込める
公務員を辞めて転職することで、収入が増える可能性があります。
特に、民間企業では成果や実績に応じて給料が上がる仕組みが多くあります。
公務員の給料は、基本的に年功序列で、年齢や勤続年数によって決まりますが、民間企業では能力や成果に応じて給料が決まることが多い。
たとえば、IT業界や営業職などでは、自分の努力次第で給料を大きく上げることができる。
転職市場では専門知識や経験が評価されます。
公務員を辞めて転職することで、自分の努力やスキルに応じて収入アップが期待できる職場に移ることができる。
やりがいや挑戦を求めて転職を考えている人にとって、収入面でも大きなメリットとなるでしょう。
副業ができる
副業は、収入を増やす手段だけでなく、好きなことを仕事にしたり、趣味を広げたりするチャンスでもあります。
副業をすることで、うまくいくと独立することも可能。
例えば、副業でWebライターをして収入が安定してきたら、本業を辞めてWebライターのみで生活できるようになれるのです。
ほとんどの自治体では副業が禁止されているため、公務員は本業以外の収入を得ることが難しいです。
しかし、民間企業に転職すれば、最近では多くの企業では副業が許可されているため、本業以外の活動でも収入を得ることができます。
たとえば、ブログやYouTubeで情報を発信する、フリーランスでデザインの仕事をするなど、自分のスキルや趣味を活かしてお金を稼ぐことが可能です。
公務員を辞めて転職すると、副業ができるようになるため、自分の得意なことや好きなことを活かして収入を増やしたり、独立するチャンスがある
収入アップだけでなく、ライフスタイルの多様化にもつながるため、人生をより豊かにできる可能性があります。
起業にチャレンジできる
副業と同じようなことですが、公務員を辞めると、自分の会社を作る(起業)ことにチャレンジできます。
これにより、自分のやりたいことを自由に進めることができ、自分の夢を実現するチャンスが広がります。
たとえば、飲食店を開いたり、オンラインショップを運営したり、自分のアイデアをビジネスに変えて成功するチャンスがあります。
帝国データバンクによると日本では2023年の新設法人の数が年間約15.3万社となっており前年比7.9%増と自分でビジネスを始める人は年々増えています。
公務員を辞めると、自分のアイデアで起業し、好きな仕事を作ることができる自由がある。
これは、自分自身の夢を追いかける素晴らしいチャンスとなるため、挑戦する価値があります。
公務員を辞める前にやっておくべき準備
公務員を辞めるデメリットとメリットを見て、「公務員を退職しよう!」と思った方も、辞めたあとで後悔するかもしれません。
「どうしても今すぐ辞めたい」という気持ちを忘れずに早く動くことも大事ですが、今のうちにできる準備をしていきましょう。
次からは「公務員を辞める前の6つの準備」をご紹介します。
STEP1から、ラクな気持ちで始めてみてください。
転職サイト・エージェントを活用してみる
公務員を辞める前には、自分のキャリアを客観的に確認することが大切です。
転職サイトやエージェントを活用して、自分にどんな仕事が向いているかや、自分のスキルが他の仕事でどう評価されるかを知っておきましょう。
自分が今までやってきた仕事やスキルが、民間企業でどのように評価されるかを確認することで、転職活動がスムーズに進みます。
転職サイトやエージェントは、専門的な知識を持っていて、あなたに合った仕事やアドバイスをしてくれるため、客観的な視点で自分のキャリアを考える手助けになります。
例えば、リクナビNEXTでは無料で適職診断ができます。
転職サイトやエージェントを利用して、自分のキャリアを客観的に確認することは、公務員を辞めてからの転職を成功させるための大切な準備です。
自分に合った仕事を見つけるために、専門家の意見を積極的に活用しましょう。
なぜ今辞めたいのか理由を整理し問題を解消してみる
公務員を辞める前には、なぜ今辞めたいのか、その理由をしっかり整理することは大事だと思います。
この記事の最初にある「公務員を辞めたいと考える理由」を自分に照らし合わせて自分のあなたの頭で考えてみてください。
自分が感じている問題をはっきりさせて、その問題が解決できるかを考えてみましょう。
辞めたいと思う理由を整理することで、本当に辞めるべきか、他の方法で問題を解決できるかが見えてきます。
例えば、「仕事が忙しすぎる」という理由であれば、まず上司に相談してみたり、業務の調整をお願いすることが考えられますよね。
辞めたい理由をしっかり整理し、問題点が解決できないか考えることは、公務員を辞める前にやるべき大切な準備です。
問題を解消できるかどうかを見直してから行動すると、後悔しない選択ができるかもしれません。
辞めて後悔しそうなことを洗い出し対処法を考える
公務員を辞める前に、辞めて後悔しそうなことをしっかり考えておくと後悔する心配がなくなります。
そして、もし後悔したときにどう対処するかも考えておくと、不安を少なくすることができます。
人は大きな決断をした後、予想していなかった問題が出てくることがよくあります。
公務員を辞めた後、安定した収入や職場の人間関係が恋しくなるかもしれません。
事前に「どんなことに後悔しそうか」をリストアップし、その対処法を考えることで、後悔したときの不安や焦りを減らせます。
辞めて後悔しそうなことを事前に考え、対策を立てておくことで、後悔を少なくすることができます。
大きな決断をする前に、しっかりと準備をしておくことは大切なことです。
辞めてからのプランを具体的に立てる
公務員を辞める前に、辞めた後の具体的なプランを立ててみましょう。
どんな仕事をしたいのか、どんな生活を送りたいのかをしっかり考えて、行動計画を作っておくことが重要です。
辞めた後のプランを立てておくと、無計画で不安な状態を避けられます。
公務員を辞めると、今までの安定した環境から離れることになるため、新しい仕事や生活をどうするかを決めておかないと、不安定な状態に陥ることがあります。
辞めてからの具体的なプランを立てることで、将来への不安を減らし、成功に近づけることができます。
新しい仕事や生活に備えて、どんな道を進むかを明確にしておくことが大切です。
在職中に転職活動し入社後のミスマッチを防ぐ
公務員を辞める前に、転職活動をしっかり行い、転職先の企業をよく調べることが大切です。
これによって、新しい仕事に就いてから「こんなはずじゃなかった」と後悔することを防ぐことができます。
転職先の会社や仕事の内容をしっかり調べておくことで、入社後のギャップや不満を減らすことができます。
特に、仕事内容や職場の雰囲気、待遇などは、事前に確認しておかないと、実際に働き始めたときに「こんなことをやると思っていなかった」「思ったより大変だ」と感じることがあります。
こうしたミスマッチは、働くモチベーションを下げる原因にもなります。
在職中に転職活動を行い、転職先の企業をしっかり分析しておくことは、将来の自分のために大切な準備です。
入社後に後悔しないためにも、しっかりと情報を集め、ミスマッチを防ぎましょう。
退職に伴う出入金額を確認する
公務員を辞める前に、退職後の生活に必要な資金を確認し、準備しておくことが大切です。
特に収入が一時的に減ることが予想されるため、その間の生活を安定させるための計画が必要です。
退職すると、これまで毎月もらっていた給料がなくなるため、生活費をどうやって確保するか考えなければなりません。
また、退職金がもらえるタイミングや金額、次の仕事に就くまでの期間を予測し、必要なお金がどれくらいかを確認することが大事です。
無計画で辞めると、生活費が足りなくなるだけでなく、借金をしなければいけなくなることも。
退職する前に、しっかりと出ていくお金と入ってくるお金を確認して、退職後に困らないように準備しておくことが重要です。
計画的にお金を管理し、安心して次のステップに進みましょう。
公務員を辞める5つのステップ
早期退職者の候補者になる
自治体の多くは、早期退職者を募集しています。
これは「早く退職することで、退職手当を多く払いますよ」というもの。
「58歳くらいから応募できるものでは?」と思っている方もいるかもしれませんが、在職20年以上で応募ができるところが多いです。
年度初めごろに調査があり、この締め切りまでに応募しないと、その年度の途中で退職しても退職手当の増加はありません。
「そんな早くに退職することを決められない」という方もいると思いますが、ここでは候補者として名前を入れてもらうだけで、絶対にその年に退職しないといけないものではありません。
「退職手当の増額なんて大して変わらないだろう」と思うかもしれませんが、数十万円違うこともあります。
金額については、人事課に聞いてみましょう。
3ヵ月前に上司に報告する
公務員を辞める時は、3ヵ月前に上司に面談のアポを取って、自分の辞めたいという気持ちを伝えましょう。
辞める意思を示すタイミングが遅いと、引き継ぎの準備や後任の人を見つける時間が足りなくなり、職場に迷惑をかけることになります。
ただ、絶対に3か月前じゃないといけないのかというと、そういうわけではありません。
私の周りでも1か月でやめたという方もいました。
ただ、その時は人の補充がないため、残された人は苦労していました。
上司へは自分の辞めたいという気持ちを直接伝えることが大切です。
メールや書類だけでは、感情や意図がうまく伝わらないことが多いためです。
面談をすることで、辞める理由や引き継ぎの計画を詳しく説明でき、上司も理解しやすくなります。
公務員を辞める前に、3ヵ月前に上司にアポを取って辞める意思を伝えることは、職場の人たちや自分のために大切な準備
早めに伝えることで、スムーズに退職できるようにしましょう。
退職願を提出する
公務員を辞めるためには、正式に退職願を提出する必要があります。
退職願は、辞めたいという意思を公式に伝えるための大事な書類です。
これを提出することで、職場が正式に辞める手続きを進めることができます。
それぞれの自治体にある規則では退職願の提出が求められることが多いです。
「退職願なんてどうやって書いたらいいのか分からない」という方もいると思います。
ネットで検索すると退職願の書き方がたくさんあるので、それを見ながら書けば、まったく問題ありません。
退職願を提出することは、公務員として正式に辞めるための重要な手続き
これにより、退職の意思が正式に記録され、スムーズに退職手続きが進められます。
転職活動を進める
公務員を辞める前に、転職活動を進めることが大切です。
転職活動を事前に進めることで、辞めた後にすぐに新しい仕事を始められます。
もし退職後に仕事を見つけるのが遅れると、収入が途切れて困りますよね。
また、転職活動をすることで、自分に合った仕事を見つけやすくなります。
公務員の仕事が忙しくてそんな暇ないという方は仕方ないと思いますが、公務員を辞める前に転職活動を進めることは、新しい仕事をスムーズに見つけるために非常に重要です。
これにより、退職後の生活が安定し、次のステップへとスムーズに進むことができます。
リクナビNEXTの「適職診断」を受けてみる<<<最終日は職場の方へ挨拶する
公務員を辞める際は、最終日に職場の方々に挨拶することが大切です。
最終日に挨拶をすると良い印象を残すことができ、今後の関係がスムーズになります。
「今後の関係なんて必要ない」と思う方もいるかもしれませんが、これは職場のマナーや社会人としての礼儀の一部であり、ビジネスの基本です。
といいながら、私の場合は、苦手な人には笑顔で挨拶ができず、あまり良い印象が残せなかったかもしれません。
「立つ鳥跡を濁さず」というように、公務員を辞める最終日には、職場の方々に挨拶をすることで感謝の気持ちを伝え、良い関係を築くために重要です。
シコリなく退職後も気持ちよく過ごすことができます
円滑に転職を成功させるコツ
公務員として働いている間に転職先を決めたいという方は、スムーズに転職を成功させましょう。
転職をスムーズに行うためには5つのコツがありますので、ご紹介します。
面接対策にも参考になるのでぜひご自身に照らし合わせて考えてみてください。
公務員で身についたスキルや経験を整理する
公務員で身につけたスキルや経験を整理しておくと、転職がスムーズに進みます。
公務員として働いていると、様々なスキルや経験を積むことができます。
たとえば、プロジェクト管理やチームのリーダーシップ、問題解決能力などです。
これらのスキルは、民間企業でも価値があります。
それらのスキルや経験を整理しておくことで、面接や履歴書でしっかりアピールでき、企業側もあなたの強みを理解しやすくなります。
あなたも経験があると思いますが、引っ越しをする前には持ち物を整理しますよね。
引っ越しをする前に、どの荷物が必要でどれを持っていくか決めると、新しい家での生活がスムーズになります。
それと同じで、公務員で身につけたスキルや経験を整理しておくことで、転職活動がよりスムーズになり、自分の強みをしっかりアピールできるようになります。
いま身についているスキルや経験を整理することは、円滑に転職を成功させるための大切なポイント
次の勤務先では退職理由をポジティブに伝える
転職活動が成功しやすくなるためには、面接で退職理由をポジティブに伝える必要があります。
転職面接で前向きな理由を述べることで、面接官からの評価が高くなります。
ポジティブに退職理由を伝えることは、新しい仕事に対する前向きな姿勢を示すことができるためです。
たとえば、「新しい挑戦を求めて」とか「さらなる成長を目指して」という理由は、あなたの意欲や前向きな姿勢を伝えることができます。
逆にネガティブな理由や不満を述べると、面接官は「また不満を抱えて辞めるのでは?」と思われるかもしれません。
ポジティブな理由は面接官に良い印象を与え、あなたを応援したくなる気持ちを引き出せる。
退職理由をポジティブに伝えることで、自分の前向きな姿勢をアピールし、転職活動を成功に導くことができます。
次の勤務先では退職理由をポジティブに伝えると、前向きな姿勢が伝わり円滑に転職を成功させることができる
転職活動をしていることを同僚には伝えない
転職活動をしていることを同僚には伝えない方がいいです。
転職活動をしていることを同僚に話すと、職場での雰囲気や関係が微妙になってしまうからです。
転職活動を公開してしまうと、「お前だけ辞めるのか」と同僚から足を引っ張られたり、同僚たちに不信感を抱かせる可能性があります。
転職活動をしていることは、同僚には伝えず、自分の計画を守ることで、職場でのトラブルを避け、円滑に転職を進めることができます。
転職活動をしていることを同僚には伝えないことで、職場でのトラブルがなくスムーズな転職活動ができる
引き継ぎ含めて適当な退職のタイミングを考えておく
引き継ぎや業務のことを考えて、適切な退職のタイミングを決めることが大切です。
退職するタイミングを考える際には、引き継ぎの準備や他の人が困らないようにすることが重要です。
サイボウズが運営するPRTIMESの「ビジネスパーソン400人に聞く「引き継ぎ」に関する調査」によると、「引き継ぎがスムーズだった人」の約8割が「今の職場で働き続けたい」と回答しているとのこと。
それほど引き継ぎは大事なことだといえます。
例えば、大きなプロジェクトがあるときに突然退職すると、プロジェクトが止まってしまい、他の人が困ってしまいます。適切なタイミングで退職することで、スムーズに業務を引き継ぎ、職場の人たちに迷惑をかけずに済むのです。
仕事を辞めるときも、他の人が困らないように計画を立てることが大事です。
引き継ぎや業務の状況を考えて、適切な退職のタイミングを選ぶことが、転職を成功させるためにはとても重要です
適当な退職のタイミングを決めることで、職場での問題を最小限に抑え、円滑な転職が可能になる
転職エージェントを活用する
転職エージェントを使うことで、転職活動がスムーズに進みやすくなります。
転職エージェントは、転職活動のサポートを専門にしている人たちです。
転職エージェントは、あなたに合った仕事を見つけるお手伝いをしてくれます。
例えば、転職エージェントはたくさんの会社や仕事の情報を持っていて、あなたの希望やスキルに合わせた仕事を提案してくれます。
さらに、履歴書の書き方や面接の準備もサポートしてくれるので、転職活動がうまくいきやすくなります。
たとえば、もしあなたが迷路を抜け出そうとしているときに、迷路の出口を知っているガイドがいると、とても助かりますよね。
そのガイドがどこに行けばいいか教えてくれるので、迷うことなく出口にたどり着けます。
同じように、転職エージェントは転職の迷路でのガイド役となり、あなたが良い仕事にたどり着けるようにサポートしてくれます。
転職エージェントを利用すると、転職活動がスムーズに進み、理想の仕事を見つけやすくなります。
効率よく転職を成功させるために、転職エージェントの活用がおすすめ
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退職後にやらないといけないこと3選
公務員を退職した後に注意するべき、やらないといけないことがあります。
とても大事なことですので、ここで整理しておきましょう。
年金の手続きを忘れない
退職後は年金の手続きを忘れずに行うことがとても大切です。
公務員が退職すると、年金の支払いが変わります。
公務員は「共済年金」という年金に加入していますが、退職後は「国民年金」に加入する必要があります。
もしこの手続きを忘れると、将来の年金が少なくなってしまったり、受け取る資格を失ってしまうかもしれません。
そのため、退職後2週間以内に必要な手続きを済ませることが重要です。
共済組合から案内があるので、必ず年金の手続きを行いましょう。
年金の手続きを忘れると将来困ることになるので、しっかりと確認しておくことが大切
住民税の手続きが必要
退職後には住民税の手続きを忘れずに行うことが重要です。
住民税は、前年の収入に基づいて課税される税金で、6月から翌年5月まで毎月徴収されます。
公務員として働いている間は、住民税が給与から自動的に引かれていました。
しかし、退職すると自動的に引かれなくなります。
そのため、退職後に自分で住民税を納める手続きが必要です。
退職後に住民税の手続きを怠ると、未納税金として追徴課税されることがあります。
住民税も期限内に手続きをしないと延滞金が発生することがあります。
どのように支払うのかというと、次の2つのパターンがあります。
- 転職先が決まっている:人事課が次の職場とやりとりしてくれる(何もしなくてよい)
- 転職先が決まっていない:6月から毎月(または一括で)支払うだけ
「転職先が決まっていなければ、きちんと市民税を支払いましょう」ということですが、前年度の収入に基づくので、意外と驚く金額を納めることも。
ですので、退職後の貯蓄には税金のことも考えておく必要があります。
退職後は、住民税の手続きを忘れずに行いましょう。
税金の手続きをきちんとしないと、後で困ることになるので、しっかりと確認しておくことが大切
健康保険の手続きを済ませる
退職後は、健康保険の手続きを必ず済ませることが大切です。
公務員として働いている間は、会社が健康保険に加入してくれていました。
これが「公務員共済保険」というもので、病気やケガのときに医療費の一部を助けてもらえます。
しかし、退職するとその保険は使えなくなります。
そのため、退職後に別の健康保険に加入する必要があります。
手続きを忘れると、病気やケガをしたときに医療費が全額自己負担になる可能性があります。
つぎの転職先が決まっていたら、次の会社で健康保険に入ることができます。
もし次の職場が決まっていない場合は、退職後2年間は「任意継続被保険者」になり共済保険を継続することができるのです。
任意継続被保険者になるためには、退職の日から20日以内に組合に申し出て、掛金を納める必要があります。
これらをふまえて、退職後は新しい健康保険に加入するなどの手続きをしっかり行いましょう。
退職後の保険の手続きを忘れると、病気やケガのときに全額自己負担になる
まとめ
公務員を辞める前に自己分析と準備を徹底し、後悔しない決断をすることが大切。
公務員としての仕事には安定や福利厚生といった大きなメリットがありますが、それが全てではありません。
あなたが今感じている「もっと自分らしく働きたい」「新しい挑戦をしたい」という気持ちは、あなたの心の声です。
転職を考える理由は人それぞれですが、自分の人生をより輝ける方向に進めるためには、その声を大切にすることが必要です。
まず、転職を決意した際には、自分のキャリアを客観的に見つめ直し、どのような職場で自分の能力や希望を最大限に活かせるかを考えましょう。
退職理由をポジティブに伝えることや、退職前にしっかりと準備を整えることがスムーズな転職への鍵となります。
「公務員を辞める」という大きな決断には、多くの不安や悩みが伴いますが、行動を起こさなければ何も変わりません。
勇気を持って第一歩を踏み出すことで、あなた自身の可能性が広がります。
あなたの新しい未来がより輝かしいものとなるよう、心から応援しています。
自分らしく、満足できる仕事に出会うために、今がその一歩を踏み出すタイミングです。
あなたの未来は、ずっとあなたの手の中にあります。